いつの間にか7月となり、アイスクリームの新商品のチェックに余念のないAID研究センター所長です。
今回はインプルメント ガイダンス システム(Implement guidance system)について考えてみたいと思います。
Advanced Farming Systems (Gase IHのサイトより引用)
一般的に傾斜地では、トラクタと作業機が傾斜の影響によって傾斜の低い方へ移動する現象が発生します。
インプルメント ガイダンス システムは、この現象に対応するために作業機の走行位置を衛星からの測位データやいろいろなセンサーのデータなどで把握して、正しい位置からのズレを補正するシステムです。
衛星の測位データを用いる場合には、トラクタと作業機にそれぞれGNSSアンテナを装着します。この方式には、作業機のズレをトラクタが油圧装置などで補正する「Active」方式と、作業機が正しい位置を走行するようにトラクタが走行位置を自動的に調整する「Passive」方式があります。
後者の方式では、けん引式作業機が畑の端で旋回する時にもトラクタの走行ラインに合わせて作業機の位置をコントールできるので、傾斜に関係なく旋回しながら播種作業を行うことなどが可能になります。
現在インプルメント ガイダンス システムは数社から販売されていますが、その中から代表的な製品をご紹介します。
1.John Deere 社
John Deere社では、「Tractor Integrated Active Implement Guidance」と呼ばれる除草機のような直装式作業機に対応したActiveシステムと、「AutoTrac Implement Guidance Passive」と呼ばれるけん引式の作業機に対応したPassiveシステムを提供しています。
2.ProTrakker 社
Protrakker社では、直装式作業機に対応した400DXなどのActive方式の製品が出されています。400DXは部品交換を行うこうことで、けん引式作業機にも対応できるようになっています。
作業機の「ズレ」の検知する方法は、John Deere社の「Active Implement Guidance System」など衛星の測位データによるガイダンスシステムを利用する方法、超音波センサーを用いる方法、シンプルに傾斜センサーを用いる方法などがあります。
3.LAFORGE社
LAFORGE社では、Active方式の「DynaTrac」という製品が出されています。この製品は、けん引式作業機にも対応できるようになっています。
作業機の「ズレ」の検知する方法は衛星の測位データを利用する方法の他、カメラからの画像を用いた方法にも対応しています。
北海道、特に畑作や酪農が中心の道東地域では傾斜畑が多く、大型のけん引式作業機も増えてきています。このため作業精度の向上のために、インプルメントガイダンスシステムの導入が求められます。
将来的に当社の製品もインプルメントガイダンスシステムに対応できればいいなと考えていますが、さて・・・