コラム「世界の農機から」第3話 ~セクションコントロールを使ってみたら~

Editorial

秋の農作業も後半戦。てん菜やデントコーンなどの収穫、畑の心土破砕・耕起作業など、まだまだ忙しい時期が続き、天気模様が気になるAID研究センター所長です。

さて、この畑のとうもろこしの並び方、不思議ですよね。

実は、この畑は前回のブロードキャスタの回に紹介した「セクションコントロール」を搭載したJohn Deere社の播種機を使って、種子を播いています。

セクションコントロールを用いることで、不必要な部分に種子を落とさないことができるので、変形した畑でも形に合わせた播種作業が可能となります

 今回は、このセクションコントロールについて詳しく見てみましょう。

セクションコントロールを使ってみると・・・


図は『Raven社』のホームページより引用

セクションコントロールを使った場合の効果について、ブームスプレーヤを例にして考えてみます。

ブームスプレーヤは、必要な部分のみに農薬を散布することができるセクションコントロールのメリットが最大限発揮される作業機械です。

それは、同じ場所に2回農薬を散布してしまう「重複散布」によって、資材単価の高い農薬を余計に散布してしまうことで発生する「無駄」なコストを省くことができるからです(さらに除草剤の場合は重複散布による薬害が問題となります)。

 

 

◎試算してみました・・・

まず前提条件として、畑の幅と面積が同じで、下辺の内角が異なる台形の畑を3パターン用意しました。下辺の内角は、Aが45度、Bは60度、Cは75度です。これは畑の変形の度合いの影響を検討するためです。

 試算には、カンサス州立大学が開発した試算ツールGuidance & Section Control Profit Calculator(Excel版)を用いました。

このツールを用いて、重複散布の面積割合と、ナビゲーションシステムを含むセクションコントロールを新たな投資と考え、その投資を回収する年数 を検討しました。

なお投資の回収年数の試算については、北海道の農薬散布作業の実態から推定したデータを用い、セクションコントロールの価格は100万円と150万円の2段階を設定しました。

 その結果として、

・重複散布の面積割合の減少

セクションコントロールがない場合、重複散布の面積割合は3.1~7.9%となり、下辺の内角が小さい(変形の度合いが大きい)畑の方が割合が大きくなりました。

一方、セクションコントロールがある場合は、重複散布の面積割合は0.2~1.0%と大幅に減少し、特に下辺の内角が小さい(変形の度合いが大きい)畑でその効果が大きくなりました。

 ・投資の回収年数

現状の農薬散布回数や農薬費を考えると、セクションコントロールに対する投資を回収するのに必要な年数は1~3年程度と推察されます。

 やはりセクションコントロールって、素敵な技術ですね。

「AgriBus-NAVI」アプリでもセクションコントロールが使える日がそう遠くない将来に来ることを期待しつつ・・・。

代表、よろしくお願いします。