今は、世界中が新型コロナウイルスと対峙して膠着していますが、春作業準備は例年と変わらず進捗しているようです。食糧の安定的な収穫と供給に貢献されている農業者の皆様、いつも本当にありがとうございます。
さて、当社は、いよいよ自動操舵を可能とする「AgriBus-AutoSteer」「AgriBus-G2」の納品を始めています。同時に日々、ファームウェアのバージョンアップやNAVIアプリ、調整手順についても更新しています。
ユーザーの皆様にはキャッチアップにご足労をおかけしていますが、最新バージョンになっているかどうか、また、最新のチューニング手順について確認をお願いします。
4月14日現在
・AgriBus-G2ファームウェア(制御) Ver.1.0.0.16
・AgriBus-NAVIアプリ Ver.3.8.3
<AutoSteerチューニング手順>4月14日更新——————————————————-
1)アンテナ位置を設定します AgriBus-G2ユーザーガイドを参照しアンテナ位置を設定してください。
2)ホイールベース、前方注視点距離を設定します ホイールベースはお使いいただく車両に合わせて設定してください。前方注視点距離は最初はホイールベースと同程度から設定します。 初期値はそれぞれ3mです。
3)各設定値を初期値に設定します 各設定値の初期値は以下の通りです。
Pゲイン:40
Iゲイン:20
Dゲイン:10
作業時最大舵角:20度
ハンドル応答予測時間(※1):1秒
ハンドルセンターずれ幅(※2):0度
ハンドル遊び度合い:1度
※1:ハンドル応答予測時間は「ちょっと先に(予測時間後に)トラクタがどこに移動してどんな姿勢になっているか」を計算するための値です。 例えば速度を上げた場合にハンドル操作が追いつかない、などの事態に対応するものとなっています。 完全に一緒ではありませんが「高速道路ではちょっと遠くをみて(少し先を予測して)運転する」という感じです。
※2:ハンドルセンターずれ幅は「真っ直ぐ走るためにAgriBus-NAVI/G2が直進だ、と思っている値」と「実際に真っ直ぐ走るためのハンドルの位置」の差になります。
4)Pゲインを調整します
(重要)Iゲインを一旦0に設定し、自動操舵を開始します。作業を行う車速で自動操舵をオンにして、左右に蛇行しないぎりぎりまでPゲインの値を大きくします。 左右に蛇行する場合はPゲインを小さくします。
5)Dゲインを調整します Dゲインは操舵速度を設定するもので、数値が小さければゆっくり、上げると早くステアリングが動きます。 左右のずれに追従する(操舵が遅れてふらつかない)範囲でDゲインの値をできるだけ小さくします。 数値を大きくするとステアリングが大きくがたついてステアリングモーターが熱を持ち、しばらく動作しなくなることがあります。
※3)4)の調整中は、ガイダンス画面上部で確認できる基準線からのずれ量が一定の数値から小さくならなくても(0に近づかなくても)ここでは問題ありません。
6)Iゲインを設定します 傾斜地での作業やステアリングセンターがずれている場合に、画面上部のガイダンス画面で確認できるずれ量が一定の数値から小さくならない場合があります。これを調整するのがIゲインです。初期値(20)から始めて、適宜値を調整してください。値が小さすぎるとずれが減りません。また、値が大きすぎると車両がゆっくり蛇行します。
上記4)までで左右のずれ量が0に近く、問題なく直進する場合はIゲインを設定する必要はありません。
7)車速に応じた調整速度を上げると蛇行が始まる場合は
・Pゲインを小さくする(短い時間間隔で蛇行する場合)
・Iゲインを小さくする(長い時間間隔で蛇行する場合)
・前方注視点距離を大きくする
・「ハンドル応答予測時間」を調整する
を行なってください。
ハンドル応答予測時間につきましては、車両の振動が多い・少ない場合で調整の効き具合が反対になる場合があります。 振動が少ない車両はするハンドル応答予測時間を大きくすると操舵が安定する傾向ですが、振動が多い環境では少なくすると安定する傾向となっています。
また、走り出しはゆっくり(時速3km未満)にし、徐々にスピードを上げてみてください。
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※こちらの調整手順は、最新版を以下サポートページにて公開しています。
・G2の調整の仕方を教えてください。
<その他関連FAQ>
・ジャイロのドリフト値の調整は、どのような時に設定するのでしょうか
・基準線をトレースしていたものが、作業途中に基準線が右に30cmほどズレたかのように走行する現象はどうすればいいでしょうか?
以上、是非ご確認いただければと存じます。