【解説】「AgriBus-Web」の有効積算温度について

Column

 

いつのまにか天気予報で「霜注意報」を目にするようになってきました。とは言え常に冷凍庫にはアイスクリームをストックしているAID研究センター所長です。

最近AgriBus-Webの新機能として「有効積算温度」が追加されたました。それに伴い今回は有効積算温度について解説したいと思います。

有効積算温度とは

有効積算温度の考え方の前提として、「生物の中で作られる物質は気温によって生成量が異なり、作られた物質が一定量蓄積すると変化が起こる」という現象を想定しています。しかし物質の生成量は測定が難しいため、「物質を蓄積する」ということを「気温を積算する」ことに読み替えて、変化の予測に用いることにしています。

つまり「気温の貯金」が一定の量になると「生物の体の中で変化が起こる」という考え方になります。春先の桜の開花予想はこの考え方を応用したわかりやすい例だと思います。

この時、毎日の平均気温を足した温度を「積算気温」と呼びます。一方生物はある一定以上の温度にならなければ反応しない特性があり、生物が反応しない温度を「下限温度」と呼びます。有効積算温度は毎日の平均気温から下限温度を引いた値を積算した温度になります。式で表すと

有効積算温度=Σ(毎日の平均気温-下限温度)

という形になります。

有効積算温度の活用法

今回のAgriBus-Webでは、積算を開始する「積算開始日」と終了する「積算終了日」、および「下限温度」の設定が可能となっています。なお「積算終了日」を指定しない場合はデータを閲覧している当日までの「有効積算温度」が表示されます。

有効積算温度を使う場合の目安となるデータを以下に示します。

AgriBus-Webの有効積算温度の機能を使うことで、作物の生育状況を推測することが容易となり、作業計画がたてやすくなります。

ぜひこの新機能を活用していただければと思います。

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